子育てカウンセリングとは何か?一人で抱え込まないための相談先と心が軽くなる活用法

子育てをしていると、誰にも話せない不安やモヤモヤを抱えてしまうことがあります。子どもにイライラしてしまう自分が嫌になったり、夫婦で子育ての方針が合わずに悩んだり、発達や学校生活について心配が尽きなかったり。頭の中では「こんなことで悩んでいるのは自分だけじゃない」と分かっていても、いざ口に出そうとすると「これくらいで弱音を吐いていいのかな」と飲み込んでしまう人も少なくありません。

そんなときの選択肢の一つとして、近年注目されているのが「子育てカウンセリング」です。子育てカウンセリングとは、子どもの問題だけを扱うのではなく、親の気持ちや家庭全体の状況も含めて話を聴き、どうすれば今より少し楽に、少し穏やかに子どもと向き合えるかを一緒に考えていく専門的な相談の場です。

この記事では、子育てカウンセリングとは何をする場所なのか、どんなときに利用していいのか、実際の相談の流れや、カウンセラーの選び方などを、できるだけ具体的にお伝えしていきます。「興味はあるけれど、どんなものなのかよく分からない」「相談に行ってまで話すほどの悩みなのか自信がない」と感じている方に、安心して一歩を踏み出していただけるような内容を目指しています。

子育てカウンセリングはどんなことを話す場所なのか

子育てカウンセリングで扱うテーマは、とても幅広いです。赤ちゃんの夜泣きや離乳食の悩みから、イヤイヤ期の対応、きょうだいげんか、登園しぶりや不登校、ゲームやスマホとの付き合い方、思春期の反抗、進路の不安まで、子どもに関わることなら基本的になんでも話題にしてかまいません。

ただし、子育てカウンセリングの特徴は、「子どもの困りごと」だけではなく、「それを前にした親自身のしんどさ」にも丁寧に目を向けてくれるところにあります。たとえば、同じ場面でも、ある親は「まあ仕方ないか」と受け流せるのに、別の親は涙が出るほどつらいことがあります。この差は、親の性格だけでなく、自分が育ってきた環境や今の生活状況、心の余裕の有無など、さまざまな要素が重なって生まれます。

カウンセリングでは、「子どもがこうだから私が疲れる」の一歩手前にある、「自分は本当はどうしたいのか」「何に一番困っているのか」「どんな自分でありたいと思っているのか」といった核心の部分を、優しくほどきながら一緒に見つめ直していきます。

解決策だけを急いで押し付けるのではなく、話を聴いてもらう中で、自分でも気づいていなかった本音が少しずつ言葉になっていく。子育てカウンセリングは、そんな「心の整理の時間」としての側面も大きいのです。

どんな人が子育てカウンセリングを受けてもいいのか

「カウンセリングなんて、もっと大変な人が受けるものでは」「うちはそこまで深刻じゃないし」と遠慮してしまう方も多いかもしれません。しかし実際には、子育てカウンセリングを利用する人の多くが、日常の悩みや違和感の延長線にいるごく普通の保護者です。

子どもが特別な診断を受けていなくても構いません。学校や園から問題行動を指摘されていなくても構いません。むしろ、そこまで表立ってはいないけれど、毎日の小さなひっかかりが積もり積もってしんどくなっている段階で相談しておく方が、心が軽くなりやすいことも少なくありません。

たとえば、子どもに対してすぐ怒鳴ってしまう自分を何とかしたい人。かわいいはずなのに、時々消えてしまいたくなるほど追い詰められる人。夫婦で子育ての考え方が合わず、自分ばかり責められているように感じる人。周りのママ友には話せないコンプレックスや不安を抱えている人。こうした悩みは、決して「贅沢な悩み」でも「甘え」でもありません。

子育てカウンセリングは、悩みの大きさや深刻さで利用の可否が決まるものではなく、「話したいことがあるかどうか」「誰かに聞いてほしい気持ちがあるかどうか」が何より大切です。

「こんなことで相談していいのかな」と思う内容こそ、案外、外に出してみると大きな気づきや安心につながることがよくあります。

子育てカウンセリングでは実際に何をするのか

初めてカウンセリングを受けるとき、多くの人が不安に感じるのが「何をどう話せばいいのか分からない」という点です。結論から言えば、事前に完璧に整理しておく必要はありません。

多くの場合、初回は今の状況や家族構成、困っていることの全体像をたどりながら、ゆっくり話を聞いてもらうところから始まります。カウンセラーは、質問を交えながら話を引き出していくので、「何から話せばいいか分からない」という状態で行っても大丈夫です。

子どもの年齢や性格、家庭の雰囲気、親自身の仕事や生活リズムなども含めて現在の状態を一緒に整理したうえで、「一番つらいのはどこか」「どこから手を付けていくと楽になりそうか」を探していきます。

その中で、具体的な声かけの工夫を提案してくれることもあれば、親自身の休息やサポート体制について一緒に考えることもあります。子どもと一緒に面談するスタイルもあれば、基本的に親だけが話すスタイルもあり、相談機関やカウンセラーによって進め方はさまざまです。

大切なのは、「正しい育児方法」を教え込まれる場ではなく、「その家庭に合ったやり方」を一緒に見つけていく場だということです。カウンセラーは答えを押しつける存在ではなく、「親子が少しでも過ごしやすくなるための伴走者」としてそこにいます。

子ども本人もカウンセリングを受けた方がいいのか

「子どもが問題を起こしているのだから、本人をカウンセリングに連れて行くべきなのでは」と考える方もいます。もちろん、子ども自身がつらさを抱えていて、自分の気持ちを誰かに聞いてほしいと感じている場合、子ども向けのカウンセリングが大きな助けになることもあります。

しかし、子育てカウンセリングという視点に立つと、「まず親が相談する」ことが大きな意味を持つケースも多くあります。子どもの行動は、家庭環境や親子関係、親の心の状態と密接に結びついていることがあるためです。

たとえば、登校しぶりや家庭内での荒れが続いている場合、子どもを無理に連れてきて理由を問い詰めるよりも、まず親が「何が起きているのか」を整理し、「どう関わるとこの子の安心につながるのか」を一緒に考える方が効果的な場合もあります。親の関わり方や言葉かけが変わることで、子どもの行動が少しずつ落ち着いていくことも珍しくありません。

もちろん、子どもが自分の意思で「話をしたい」と感じているなら、その気持ちは尊重されるべきです。ただ、「子どもをどうにかしてほしい」と言う前に、「自分はどう在りたいか」「親として何ができそうか」を相談することも、立派な子育ての一歩だと考えてみてください。

どこで子育てカウンセリングを受けられるのか

子育てカウンセリングを受けられる場所はいくつかあります。自治体の子育て支援センターや教育相談室、保健センター、学校のスクールカウンセラー、医療機関の心理外来、民間のカウンセリングルーム、オンラインカウンセリングなどです。

自治体や学校の相談窓口は、無料または低料金で利用できることが多く、「まず話を聞いてほしい」という段階の人にとって利用しやすい窓口です。ただし、予約が込み合っていて希望の日時が取りにくかったり、継続的に同じ担当者に相談するのが難しかったりする場合もあります。

民間のカウンセリングルームは料金がかかる一方で、自分に合いそうなカウンセラーを選びやすく、ある程度継続的なサポートを受けられるという利点があります。オンラインカウンセリングを取り入れている施設も増えているため、小さな子どもがいて外出が難しい場合でも、自宅から相談できる選択肢が広がっています。

どの窓口を選ぶかは、悩みの内容や経済面、通いやすさなどによって変わってきます。「いきなり有料のカウンセリングはハードルが高い」と感じるのであれば、まずは自治体や学校の相談を利用し、「もっとじっくり話したい」と感じたら民間のカウンセリングにつなげるという流れも自然な選択肢です。

カウンセラーを選ぶときに意識したいこと

子育てカウンセリングは、「誰に話すか」によって受け取る印象が大きく変わります。専門資格や経験年数といった情報ももちろん大切ですが、実際に話してみたときに「この人なら本音を話せそうだ」と感じられるかどうかが、何より重要です。

相談をしていて、やたらと正論をぶつけられたり、責められているように感じたりする相手では、心はなかなか開けません。完璧な人である必要はありませんが、自分の話を否定せずに受け止めてくれていると感じられるかどうかを、心の中でそっと確かめてみてください。

初回で「なんとなく合わない」と感じた場合、無理に通い続ける必要はありません。いくつかの窓口を試してみて、しっくりくる人を探すことは、わがままではなく、ごく自然な行動です。子育ての悩みを話すことは、自分の心の一番やわらかい部分を見せることでもあります。その相手を慎重に選ぶのは、とても大切な自己防衛でもあるのです。

資格の有無だけでなく、「この人は親の味方でいてくれるか」「子どもの味方でもいてくれるか」「誰かを悪者にして終わらせるのではなく、どうしたらみんなが少し楽になれるかを一緒に考えてくれそうか」という感覚も、選ぶ際の指標にしてみてください。

子育てカウンセリングをもっと気軽に使うという考え方

日本ではまだ、「カウンセリング=心が弱っている人が行くところ」というイメージが残っていることがあります。しかし世界を見渡すと、カウンセリングは「心の健康診断」や「ライフサポート」として、もっと日常的に使われている地域も少なくありません。

子育てカウンセリングも、本来は「限界になってから行く最後の場所」ではなく、「しんどくなりきる前に、一度立ち止まって話を聞いてもらう場所」として活用できるサービスです。

誰かに話してみると、「自分だけがおかしいわけではなかったんだ」「この状況なら疲れて当然なんだ」と気づけることもあります。ちょっとした声かけの工夫や、休むことへの許可をもらうだけで、次の日からの子どもへの接し方が変わることもあります。

悩みがゼロになることはないかもしれませんが、「一人で抱え込まなくていい」と思えるだけで、心の負担は大きく変わります。子育てカウンセリングを、特別な人だけのものではなく、「頑張っている親が、さらに頑張り続けるための休憩所」のような存在としてイメージしてみてください。

まとめ:子育てカウンセリングは「親失格の証」ではなく「親としての勇気ある一歩」

子育てカウンセリングという言葉を聞くと、「そこまで大げさなことをするほどでも」「人に頼るなんて情けない」と、どこか後ろめたさを感じてしまうかもしれません。しかし、実際には逆です。

自分一人の力だけでどうにかしようと無理を重ねて限界を超えてしまう前に、「助けが必要かもしれない」「誰かに話を聞いてほしい」と感じて行動できることは、子どもを大切に思っているからこそできる選択です。

子育てカウンセリングは、あなたを責める場所でも、正しい親かどうかを判定する場所でもありません。今のしんどさを一緒に整理し、親として、ひとりの人として、少しでも楽に呼吸できるようになるための「心の味方」を増やす場です。

もし今、日々の子育てが苦しくてたまらないと感じているなら、「頑張りが足りない」のではなく、「一人で抱えすぎている」のかもしれません。小さな違和感の段階でもかまいません。「一度話してみようかな」と思えたら、それはもう、子どもと自分のために一歩を踏み出したということです。

子育ては本来、誰かと支え合いながらしていくものです。家族や友人だけでなく、カウンセラーという専門職も、その輪の中に加えていいのだと、自分に許可を出してあげてください。あなたが少し楽になれば、その変化はきっと、子どもにも静かに伝わっていきます。

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